日本一周75日目〜結願、四国との別れ〜
昨日の宣言通り朝は5時半に起きて、すぐに風呂へ
まだ松山の町は起きていない。昨日は雨だったのか、道路は濡れてる
荷物を全部外して走ったが、ずっとつけた状態で走っているからハンドルもペダルも軽すぎて逆に怖かった。道後温泉に着くとちょうど営業開始の太鼓が鳴らされている時だった
朝風呂に入りに来た人たちがまぁまぁいた。うーん人が少ないといい感じに風情がある
いいですな
昨日の地元の人の話通り坊ちゃんでいう”上等”
に入る。料金は1500円ほど、券売所でチケットを買い昔ながらの改札でチケットをきってもらう
こういう靴箱減ったよな
改札を超えると3階の個室へ通され、浴衣を着てまずは雲の湯へと向かう
個室はまた風情がある。
雲の湯の入り口、湯はアルカリ性で気持ちがいい
風呂から上がると2つ目の神の湯にも入れるとのことだったので、入ってみたが湯質は同じだったのですぐにでて、個室へ 。
個室に着くと団子とお茶を出してもらえる
坊ちゃん団子。お茶も美味しい。落ち着くには最適の組み合わせ
個室である程度体を冷ましたら右側の坊ちゃんの間に向かう
坊ちゃんの間、坊ちゃん由来の写真などが飾られている
坊ちゃんの間を出てしばらく休暇した後、道後温泉を後にした。総じていい風呂であるが湯質だけで言えばもっといいところはある、しかしこの風情は他にはないというところが名湯たる所以だろう
ホテルで朝食を済ませ、出発する頃には久しぶりに雨が降っていた
次の札所は小山の中にあり、ゆっくりと坂を登りながら進む
第52番札所 太山寺。この時にはもう嬉しかって何が何だかわからなかった
ここからは坂を下って行きました。
53番円明寺、結願の地。嬉しかった…着いたら泣いてました
円明寺で結願だったので1人浮かれて喜んでいると色んな人に祝福されました
1人のおばあちゃんにめちゃくちゃ褒められました。そらぁそうだ、大変だったもん。
そこからは今治に向けてゆっくりと漕いで行き漫画の立ち読みなどをして時間を潰しフェリーに乗って帰りました。
次はそうだな…東海道歩こうかな?それともハワイ歩こうか
日本一周74日目〜急くな旅人〜
俺はテントを出た瞬間自然にこう言った
「あったかいなぁ、今日は」
そういえば温度計が設置してあったなと思った俺はさっそく見に行ってみる。すると温度計は1度を指していた。
完全野宿スタイルで俺の体はおかしくなったのか…
とにかくテントを畳み(拷問に等しい)七時ごろには出発した。白い息が太陽に照らされて綺麗だ
もう峠はないと思っていたがまた峠に遭遇し朝から登る。この峠三坂峠というのだがもしかしたら昨日通った登り道が三坂峠の一部だったのかとも思う
最頂部は標高700メートル、まだ雪が残っているほどで寒い
最頂部からは12キロに渡る下りを降りて一気に松山に行ける。下りはブレーキなしなら60キロはゆうに出る急坂で神経を使う、しばらく下りには会いたくないなぁ
下りの途中に札所が2つ
46番札所浄瑠璃寺、森の中にあるみたいでとても清々しい
47番札所八坂寺、ここは山門も仁王門もない代わりに遍路橋というのがかかっている。
境内は庭園風
駐車場には立派な不動明王、あれ?不動明王って赤ちゃんの体じゃなかったっけ
俺は全然知らなかったが今日は春分の日だそうで参拝客がものすごく多い。さらにここ松山は街なので交通費も多く店も道も騒がしい 。しかし本当に不思議なのだが一歩境内に入ると突然音が無くなり静かになる…こういうとこが街寺が好きな所以だ。坂がないとかもあるが
48番西林寺、何もない境内。悪くは言ってない、そこがいいんだ
49番浄土寺。ここが先に述べたことの最たる例だと思う。浄土寺は道後温泉に向かう交通費の多い道路から少し入った住宅街の中にある。しかしこの仁王門をくぐると
とても静かな境内、聞こえるのはお経を唱える声とお遍路さんの鈴の音、そして鐘の音だけだ
浄土寺からの道はさすが道後温泉の看板が目立ち始める、最近風呂に入れていなかったが道後温泉に入れるならどうでもいい。本当に楽しみにしていた
50番札所。本当に申し訳ないが漢字が読めなかった笑笑
ここ50番札所の山門では大学生がお接待と称してミカンやアメを配っていた。教授がいたので話しかけいろいろと話を聞くと、明日が弘法大師の命日ということで四国霊場全体でお接待が頻繁に行われているとのこと。なるほど、そういうことか。とも思ったがそれにしたってなかなかできたもんじゃない、四国の接待文化には本当に感心する
50番札所はとにかく人が多くたくさんの人に応援されたり話したりした。中でも関西のおばちゃんは強烈やった
「はー!あんた偉いなぁ!日本一周かい!アイスクリン奢ったるわ!」
この早さ、声の大きさ…懐かしい。やっぱり関西のおばちゃん大好きや!去り際にこう言って行った
「今日で終わりかもしれんから気持ちはわかるけどあせらんようにな!怪我しやんように」
この言葉を聞くまでは俺の悪い癖で変に焦っていたので正気を取り戻しゆっくり行くことにした
浄土寺を終え次の札所への道はもう完全に道後温泉一色。というのも51番は道後温泉のすぐ近くにあるからだ、そのため境内もわっちゃわちゃ。境内は静かとかなんとか言ったけど観光客はけっこう騒がしくてうるさい、人数が増えスタンプラリー気分のカップルなんていたらもう最悪の秩序になる。勘弁してほしいなぁ
この煙たるや…線香もここまでの量になるとただの煙や
祝日だからな、仕方ない。第51番石手寺
さーあ!いよいよ道後温泉やぁ!ていうか風呂やぁ!!とテンションマックスで漕いで行くと、いるわいるわ若いのから高齢まで日本人やら外人も。
「ここが銭湯??人多すぎやろ…」
風呂に入りに来てるのもいるが写真を撮ってるやつもいるしもうめちゃくちゃ
こらあかんと思った俺は人が引くまで待つかなぁ、と考えて隣にあったベンチに座った
2人のおばあちゃんが楽しそうに話していたので俺の常套句を使って話に入る
「地元の方ですか?」←最強の一言。これの返答がYESなら地元の情報が聞ける。NOなら出身地の話ができる。いいことづくめ
「いやぁ、違うんです。私たちお風呂に入りに来ただけでねぇ」
聞くと仲よさそうになさっていたが先ほど話し始めたそうで1人は松山、1人は埼玉の方だった。
「今日は祝日だからかえらい人ですね」
「そうやねぇ、日曜の祝日やからねぇ。だけど今日は道後温泉祭りでね、それもあるでしょうねぇ」
「うーん、今日入ろうと思ってたんですが…これだけの人だとお風呂もパンパンでしょうね」
「そうやなぁ、明日になったらいつもの通りそんなに人はおらんと思うよ?せっかくやから明日の朝入りに来たらどうかな、人も少なくなってゆっくりできると思うよ」
というような会話をして、今日はここらへんで一夜を明かし明日の朝1風呂に入るのが一番やなと確信。両親にお願いして駅前のホテルを取ってもらった。なんだかんだいつも助けてもらっているので親にはいつも感謝感謝です
ホテルのエントランス付近に停めたが場違い感が半端じゃない
とりあえず今日はシャワーで済まし久しぶりに暖房の効いた部屋で寝る。久しぶりというかもはや20日ぶりくらいだ
日本一周73日目〜最後の難所〜
朝テントは大いに結露していた、びしょびしょだ。となると困ったもんでテント内も一部濡れ、寝袋も濡れる。つまり、ものすごく寒い。
寒いせいか4時半ごろには目が覚め、ずっと寝袋にくるまっていた。テントから出てテントを畳んでいると昨日よりもずっと濡れているためか手の感覚がだんだん無くなる、テントを畳み終え準備が終わった時には手は動かなくなっていた
コンビニに行き、朝ごはんを買おうとするもののおにぎりを掴むことができない。見かねた定員に助けてもらいなんとか朝ごはんにありつけた
川沿いで朝は霧かもやがかかるためとにかく結露が多いらしい
さて、今日は最後の難所への挑戦ということで気合が入っていたが、意外にも20キロほどは平地。川沿いに広がるのどかな道は大好きだ
川に沿うように作られた住宅地、洋風の家はひとつもない
四国の海、川は透明度でいえば北海道にも勝る。どれも穏やかで綺麗だ
途中の道の駅を超えるとだんだんとアップダウンが増えてくる
しばらくすると今日最初の峠に突入
空気はすごく綺麗
この峠とにかく長く、坂もそこそこにきつい。しかし俺も四国の山々を越えてきた男、なんとかして超える
いつの間にか冬を越し、春を迎えた。花鳥風月を体で感じられるのは自転車と歩き旅の特権だと思う
この峠を越えるとそこは難所久万高原町、久万高原に入ってさらに10キロほどで44番の近くに出る。44番に向かう途中、久万で面白い取り組みをしていたので見て行った
久万ひな祭り、ここらへんではひな祭りは4月の3日だそうで約15,000のひな人形が町のいたるところにある
道の途中にも桜に添えてあった。全て手作りというから驚く
商店街から大きい坂を登ると44番が見えてくる
珍しく駐車場から山道が伸びているタイプ
かなりきつい山道と階段を越えると境内が出てくる44番大宝寺
大師堂はかなり大きく屋敷風
途中花粉症で苦しそうにしている人が多かったが、いつの間にか四国を回っている間に花粉をはねのける体になったようだ。極限状態で周り続ければ花粉なんて気にもならなくなる
ここからは45番に一気に向かう。45番までは派手なアップダウンが連続する、急勾配注意!という看板まで見えてくる始末。勘弁してほしい
ということで峠をまたひとつ越え45番麓に到着。
この山の頂上付近
趣のある山門がお出迎え
この階段は今までで1番キツイ。高齢の方は大変だろう、駐車場から徒歩15分は登らなければならない
階段の先には本堂が。45番岩谷寺
岩に突き刺さるように本堂が建っている。御本尊は不動明王、さすが運命めいたものを感じる
大師堂は特殊な面構え
途中岩場の中に入れるようになっていた。真っ暗の中には石造りの不動明王が。通称かなえる不動
岩谷寺を終え、越えた峠をもう一度登り直しなんとか最後の難所を無事に終えることができた
これで残るは松山の8つの札所のみ。今日は久万で野宿し、明日はついに結願だ…
日本一周72日目〜新たなる目標〜
さ、寒い…この時期にもなって白い息はやめて欲しいです、はい。こういう寒い日はテントのポールが氷柱を触っているかのように冷たく畳むのが大変です、テントを畳みつつお湯を沸かしラーメンを朝ごはんに食べた。
道の駅を出るとすぐさま坂、朝から嫌だけどもうここまでくるとどうでもよくなってきます
多少のアップダウンを終えると宇和島市に到着。宇和島市に入りゆっくり漕いでいると
SL
普通にSLが公園に展示してありました。俺が小さい頃には多分見ているとはおもうんですが、覚えてないので初めて見た気分です
機関室、昔は大変だったんだろうな
宇和島を超えるとまーた坂になります、いわゆる山と山の間の渓谷をひたすらに漕いでいき、それを終えると平地に戻りようやく最初の札所が
41番札所龍光寺、階段の上にあるのは稲荷神社
階段の途中にまるで民家がお寺になりました!という具合で境内があります
龍光寺から3キロほどで
道の途中にある42番札所仏目寺
仁王門はここ最近じゃ1番のデカさ
境内は配置がそう感じさせるのか霊験豊かに感じます
納経を終えチャリの元へ戻ると草餅を売っているおじさんといろいろ話しました。
「こっから先は峠やな、それ超えたら43番」
「え…またぁ?もうクタクタよ」
「これ、お接待やでな。頑張り」
と草餅をくれました。草餅を食べていると仏目寺から出てきたご夫婦が話しかけてくださりました。旦那さんが話しやすい方でいろいろと話を引き出されてしまいました
「で?四国終わったらどうすんの?」
「そうですね、夏は東海道を歩こうと思ってます」
「ん、ええなぁそれやったらさ海外は行かないの?」
「いや、僕まだ日本ちゃんと見れてないので」
「関係ないよそんなの。若いうちに行っとかないと視野がどうしても狭くなっちゃうからね。行ったほうがいいよぉ〜」
「海外かぁ…なんかありますか?」
とこんな感じで話しているうちに色々新たな旅の行き先が決まりました
まずは東海道五十三次徒歩、熊野古道、奥の細道、そして海外はハワイ一周徒歩、スコットランド自転車一周
東海道はともかくその他はまだまだ計画途中ですがやれそうならやっときます
ふーむ、こう考えてみると世間は広いですな
というわけで仏目寺を出て峠に突入。
峠道。不気味なほど音がない
峠の途中でウイダーinゼリーをもらいました。こりゃ高級品ですよなかなか飲めんですたい、ありがたくいただきました
この峠七子に比べたらまぁたいしたことはなくスッと超えてしまいました。楽ではないけど
話の通り峠さえ越えればとりあえずは楽な道、43番の前だけはきつい坂こそあれど楽なものでした
そこまで山の中というわけではありませんが、山岳寺院っぽい
本堂には天井絵が。さすがにマリリンモンローはいません笑
明石寺を超えた後、もう1つ峠が見えてきました。七子、歯長ときて今度は鳥なんたら峠。
登りはすぐに終わりました、しかしこういう時はなんだか不安。そう峠という名前が付いているのにすぐに終わるはずがない。つまり下りが長いのでは?と思ったら的中。しかもこの道は謎の歩道無しで下りは70キロでるんじゃないかの急勾配ヘアピンカーブ。手はブレーキをずっとかけていました
トンネルも歩道がなければ危険度マックス
車は70キロくらい出してます。法定速度守ろう!
恐怖の下り坂を終えると大洲市に入ります。この大洲市はけっこう面白そうなところだったんですが…残念ながら先に進みました、今回は下灘駅も見れなかったし残念
10キロほど漕ぐと道の駅が見えてきました。
この道の駅今までで一番地域密着型、商品は町で作られたものしか出さないという徹底ぶり、しかし品揃えは独特で非常に面白いです
奥の橋を渡ると公園がありほとんどキャンプ場のようなとこだったのでそこの東屋で就寝
この日記を書きながら俺は思い出していた
88番での会話を
「ここですね、44番と45番。ここが最後の難所でしょう」
「そうですね…どちらも山の頂上ですか…」
「大変ですけど、どちらも凄いですよ景色も境内も」
「ここまで来てる俺ならなんとかできるでしょうね」
日本一周71日目〜3桁との戦い〜
今朝は久しぶりに寒く寝袋から出るのがものすごく嫌でした
ともかく今日は風呂に入りたい…と思い風呂を地図で探していると110キロ先に風呂併設の道の駅を発見。
やるしかない!ここで限界を超えてやる!と奮起し7時半に出発。
まずはサクッと四万十市まで戻ります
四万十市は川沿いに街並みが広がるちょっと珍しい町
四万十市までくれば39番まで10キロほど。まずは39番に向かいます
39番延光寺、山間に広がる田舎道の途中にポツンとあります
庭園風の境内。金剛福寺ほどではないものの綺麗に配置された木と池が穏やかな雰囲気を醸し出しています
井戸の水で目を洗うと目が健康?になるという井戸、ちょっと汚く見えたのでやめときましたw
延光寺を出てしばらくすると国道沿いにビーチパラソルが立っていました。
「こんなところで…どこの誰だよ笑笑」
あんまり奇妙だったので近くに行ってみるとアイスクリン(高知名物の氷菓子、アイスクリームではない)を売っているおばあちゃんが
「暑くないの?おばあちゃん、夏もこれやってんの?」
「あぁ、夏には真っ黒焦げよ!ガハハ」
「かー!元気やなぁ!負けてられへんわ!」
「うむ!二度とない青春やでな!頑張って楽しんできぃ!」
「うっしゃ!任せとけぇ!おばあちゃんの分もたのしんだろやんけ!」
やっぱこういう清々しい人と話すとこっちまで清々しくなるもんで、グダグダに疲れていた俺の体は元気を取り戻し一挙進んでいきます
健康に気をつけてな、おばあちゃん
この後コンビニで休息をとっていると、おじさんがメロンパンをくれました。久しぶりに食ったけど…本当に美味いですね、ありがとうございます。
そうこうすると
愛媛県!!!
愛媛県の文字を見たときは素直に感動。よくここまで頑張ってきたなぁ…と1人で感極まっていました
ここまでの道はまだ平地が多く体にもいくらか余裕があったのですが、ここらへんからもう一度山に入っていきグワングワンの道を漕いでいくことに…
ただひたすら漕いでいくとようやく
町の外れにある40番
観自在寺、綺麗ですね…とは言えフラッフラ
大師堂には[どっこしょう]という大師の宝具がありました。宝具ってなんかかっこいいですよね
観自在寺を参拝し納経、住職の方がものすごくフランクな方で色々と話をしました。寺を出て用意していると住職の方が
「右に店が見えるやろ?そこ行ってきな。おじちゃんのおごりでジュース飲めるからな」
こいつぁラッキー!と走っていくとオレンジをその場で絞ってジュースを作る…えーっとなんていうんだったかな、まぁいいや。そういうジュースを飲ませていただき、さらにアイスクリームとデコポンまで食べさせていただきました。本当に美味しかったです、住職、地域のおばちゃんありがとう!
観自在寺を終え最後の追い込み!2つ3つ山を越え足も痛いわ、汗も出るわでもうクタクタになって6時ごろようやく目的地の道の駅に到着
山をぶち抜くトンネルに沿って自転車専用トンネルが作られていました。トンネルはすぐ隣を車がビュンビュン飛ばすので危険。ありがたいです
占領😁
風呂に入ったのは随分久しぶりのような気がしますが、いつ入っても旅の間の風呂は最高です。まず体を洗うときに熱いシャワーを頭から被るあの瞬間は絶対声が出ます、こんな風に
かぁー!!!さいっこう!!
絶対でる。誰でも出ると思う
なんにせよ風呂にゆっくり浸かり飯を食い、テントを張って寝ます
ようやくここまできた…
日本一周70日目〜とんぼ返り〜
出会ったチャリダーそうくん撮影七子峠最高点にて
6時半パッチリと目がさめる、体は不思議と軽い。昨日100キロほど漕いだというのに俺の体は頑丈すぎるぞ
そうくんと駄弁りながらゆっくり準備をして9時ごろに道の駅を出た。道の駅から四万十川までは昨日の道が嘘のようにアップダウンもなくのどかな海沿いを走る。こういう道がずっと続けばいいのに
アップダウンがないと言ったがあることはある
そうくんは荷物をほとんど積んでおらず重さで言えば俺の半分ほど、それゆえか坂もスイスイ登っていくし下りも抵抗がないためか早い。途中俺の自転車の異変に気付いた自転車店勤務のそうくんが軽く整備してくれた。変速ギアの調子が悪かったのだが綺麗に治してくれた、これも何かの運命なのかな
四万十川までの10キロほどを2人で漕いでから四万十川でお別れ、旅は一期一会がとにかく多くいろんな人に出会えるためいろんな価値観に出会える。寂しいけど別れは必ずくる
四万十川、上流はものすごく綺麗らしい
そうくんと別れてすぐ若いバックパッカーとすれ違う。普通ならここで終わりだが、ここで終われば2度と会うことはないので戻って話しかけてみると北海道一周なども自転車でこなしていた人だった。今は逆打ちでお遍路中とのこと
「なんで自転車じゃないんですか??」
「自転車は飽きたから。なんか歩いてみたかった」
さすが旅人は自由気まま、とかいう俺もこの四国遍路で一旦自転車を置き次の夏休みは歩きで旅をするつもり。いろいろ話を聞いて参考にさせてもらった
旅人のリュック、かっこよすぎ
ここからはとにかく足摺岬に向かってグワングワンにアップダウンが多い道をただひたすら漕いでいく
さすが四国は川も綺麗
トンネルもあるが、やっぱりきつい
最後の足摺岬周辺は特にアップダウンが厳しく登っては下り登っては下りと、さすが修行の地高知の中でも遍路泣かせと言われるだけはある
足摺岬直前になってくると植物が増え始め植物園も見えてくる。その植物園の隣が四国最南端札所金剛福寺だ
植物のトンネル、自然の光は気持ちがいい
38番札所金剛福寺、ここまで本当に大変だったので喜びも大きい
境内には亀が。ここと鶴林寺の御朱印は鶴と亀のため長寿の御利益があると有名
境内は今までにない雰囲気、庭園をイメージしているのかな?豊富な植物が落ち着きのある雰囲気を醸し出していて最高
せっかくここまで来たので足摺岬も観光
岬はここから大陸が始まっているんだなと感じるには1番の場所。北海道一周の時から大好き
住職に次の39番への道を聞いてみると四万十川まで帰ってそこから左のほうに行くのが一番最短だと言われた。まさかのとんぼ返りだったが背に腹は変えられないのでとんぼ返り決行
とりあえず途中の広場で今日はもう寝ることにした。スーパーで安売りされてた明太子と大量のご飯で腹を膨らまして就寝
チラッとゴキが見えたけどそんなこと気にしてたらねれないので無視
日本一周69日目〜風と峠と〜
昨日の夜は風は強いわ暴走族は集まってくるわでしっちゃかめっちゃかでした
そのせいかあまりねれず7時半ごろに目がさめることに。風は依然強く朝から目がかゆい
強風の中テントを無理矢理畳み出発。56号線に沿って漕いでいくことになるんですが、風は横風から向かい風とコンディションは芳しくない状態。しかも山と山の間を抜けていく道ということで朝から大変
風は強いが天気は快晴
トンネルは風も防いでくれる依然最強の存在
しばらく漕いでいくと道の駅かわうそが見えてきた。ここはけっこう有名な道の駅と聞いていたので立ち寄ってみると、なるほど大きくて珍しいご当地ものがたくさん売っている
この道の駅名物の焼きトロ鰹、タタキとは違い中まで火が通っておりいわゆるトロの部分を丸ごと焼いた豪快なもの
鰹を買う時には定員さんが
「このご飯とタレはサービスじゃきぃ、日本一周頑張りや」
と鰹ご飯と鶏肉ご飯をくれました。うーん高知はいいところやな
道の駅かわうそオススメメニュー土佐丼、鰹のタタキをご飯の上にガッツリのせ、大葉を細かく刻んだものをその上に乗せるボリュームのある一品
道の駅かわうそで腹を一杯にし出発。道の駅をでた頃にはさらに風が強くなっており、横風で転けそうになることが目立つようになってきました
道の駅からはどんどん山の中に入っていきます
いやに山の中に行くな…と不安に思っていると予想通り魔の看板が見えました
魔の看板登板車線、こいつが出てくると間違いなく長い坂が続くので魔の看板です
この看板から本当にずっと登り、これはもしや峠か…
ギィコギィコギィコギィコ…歩道も狭い風もキツイで神経使います
一向に収まらない坂を登ること1時間、1時間も坂を登れば自ずと景色も良くなります
こんな高いとこまで自転車でこれるんだからすごい
景色を眺めていると後ろから同じように自転車で登ってきた人が話しかけてきました
「すごいなぁ!日本一周かぁ」
「(見たところ旅人だったので)どこまでですか?」
「いや、俺は四国一周やねん」
年は20歳で久しぶりの同年代の旅人だったそともありしばらく話したあと別れました
そこからまた登ること20分ほどでようやく頂上に到着
遠くには海まで見える七子峠最高点
こっから一気に下り!!というわけでもなくゆるい下りと上りが交互にあるでこぼこした道を10キロほどこぐと38番が見えてきます
38番札所岩本寺
境内に入るとなんとたくさんの小学生が出迎えてくれました
「「参拝ご苦労様です!!」」
大きな声で挨拶され、1人の子が僕にお菓子を渡してくれました。お寺の人に聞いてみると四国では授業の一環としてこういったお接待の時間があるとのこと。すごい、こういうことは大事なことです
岩本寺の本堂は昭和に書かれたという天井絵 が、有名
自由に描かれていたようでマリリンモンローの姿も
境内に整列して参拝者を出迎えてくれる地元の小学生
この寺の住職さん曰く四国ではとくだん珍しいことではなく普通にあるということでした
寺を後にし今日の寝場所へとひた走ります。昼間あったチャリダーに再会するため30キロほと離れた道の駅へ
山道だらけ
アップダウンのある山道をぶち抜くトンネル
トンネルを抜けると久しぶりの海、安心します
道の駅に着いたのは6時ごろ、すでに到着していたチャリダーと合流し一緒に飯を食べ今日は就寝
「四国はね、世界一平和な場所だそうよ。そりゃそうわよねどこでも野宿してる人とか見るしお接待の銃があるくらいなんだから」